金融メディア編集長の〇〇です。
最近、市場で「地政学リスク」という言葉を聞かない日はありませんが、その中でも特に重要な動きが出ています。
それは、世界各国や大企業が「米国の貿易政策リスク」を避けるためのヘッジ(保険)をかけ始めている、という分析です。
米国市場が世界経済の中心であることに変わりはありませんが、この動きは今後の投資戦略に大きな影響を与えそうです。
◆ なぜ「米国リスク」をヘッジするのか?
これまで、世界の企業はサプライチェーンを最適化するために、米国市場の動向を最も重視してきました。
しかし、最近になって状況が変わっています。
- 米国の貿易政策(関税や制裁)が予測不能になっている。
- 政権交代や議会の意向で、ルールが突然変更されるリスクが高まった。
- これでは安定的な事業計画が立てられないため、企業側が防御策を講じ始めた。
この防御策こそが「貿易リスクのヘッジ」です。
◆ 具体的に何が起きている?
世界の国や企業が取っているヘッジ戦略は、主に以下の2つです。
【1】サプライチェーンの多角化・分散
- 「チャイナ・プラスワン」:中国一極集中をやめ、ベトナム、メキシコ、インドなど、複数の国に生産拠点を移す動きが加速。
- 「ニアショアリング」:米国に近いメキシコなどで生産し、輸送リスクと関税リスクを同時に回避。
【2】取引通貨の多様化
- 「脱ドル化」:米国以外の国々(特にBRICS諸国など)が、二国間貿易において米ドル以外の自国通貨や第三国通貨での決済を増やし始めた。
- 米国の制裁を避け、安定した取引環境を確保しようとする意図がある。
◆ 日本の個人投資家への影響
この「脱・米国リスクヘッジ」の動きは、日本の個人投資家にとっても無視できません。
今後の投資テーマとして、以下のポイントに注目してください。
- ドル資産への過度な集中を見直す時期か?
→「脱ドル」の動きが加速すれば、ドルの相対的な地位低下につながる可能性も。 - 新興国・特定地域の恩恵銘柄を探す:
→メキシコ、インド、ASEANなど、サプライチェーン再編の受け皿となる国の関連株にチャンス。 - 「フレンド・ショアリング」関連:
→地政学的に信頼できる国同士(日本含む)での連携強化によって恩恵を受けるハイテクや製造業銘柄。 - 地政学リスクの「商品化」:
→緊張が高まるほど、防衛、エネルギー(資源国)、サイバーセキュリティなど、リスクヘッジに関連するセクターが注目されやすくなる。
これまでの「米国市場一本足打法」ではなく、世界のリスク分散の動きを読み解き、ポートフォリオ全体でヘッジを効かせることが重要になってきそうです。
引き続き、世界の貿易動向を注視していきましょう。
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